以下は、白居易の詩《贈元稹》の原文と、それに対するオリジナリティーに富む日本語の賞析です。
《贈元稹》
自我從宦遊、七年在長安。
所得唯元君、乃知定交難。
岂無山上苗、径寸無歲寒。
岂無要津水、咫尺有波瀾。
之子異於是、久要誓不谖。
無波古井水、有節秋竹竿。
一為同心友、三及芳歲闌。
花下鞍馬遊、雪中杯酒歡。
衡門相逢迎、不具帶與冠。
春風日高睡、秋月夜深看。
不為同登科、不為同署官。
所合在方寸、心源無異端。
賞析
白居易の《贈元稹》は、詩人自身の宦遊生活とその中で得た唯一の真友・元稹との深い友情を詠んだ作品である。この詩は、白居易が長安で七年間の官生活を送った後、元稹との出会いと交流を通じて、真の友情の難しさと貴重さを実感した心情が綴られている。
詩の冒頭から、白居易は自身の宦遊生活を振り返り、その中で得た唯一の真友は元稹であると述べる。そして、「乃知定交難」と続け、真の友情を築くことは非常に難しいと感慨深く語る。以下、詩人は山上の苗や要津の水を例に、世の中には多くの表面的な関係や浅はかな交流があるが、それらは真の友情とは程遠いと批判する。
対照的に、元稹はそうした世俗的な関係とは一線を画す存在であると詠む。「無波古井水、有節秋竹竿」という句は、元稹の人格を古井の水のように静か且つ深い、そして秋の竹のように節があり堅実であると形容し、その高い評価を示している。
続く詩句では、白居易と元稹の友情の深さを具体的なエピソードを通じて描く。花の下での鞍馬遊び、雪の中での杯酒の歡び、衡門での互いの迎え入れ、そして春風の日に高眠を共にし、秋月の夜を深くまで語り合うなど、二人の交流の様子が生き生きと描かれている。
最後の部分では、詩人は二人の友情は同じ科に登用されたことや同じ官署で勤めたことによって決定されるものではなく、心の奥底での相互理解と共感によって決定されるものであると強調する。そして、「所合在方寸、心源無異端」と結ばれ、真の友情は心の奥底での一致と理解に基づくものであると説く。
総じて、《贈元稹》は、真の友情の難しさと貴重さを詠んだ、深い感情と人生哲学を含んだ詩である。詩人白居易は、元稹との交流を通じて得た真の友情の体験を綴り、我々に深い共感と感動を呼び起こすに違いない。この詩は、真の友情の価値を再認識させる貴重な作品であると言えるだろう。